IDS
第 5 回

データサイエンス学

Immersive Data Science

バーチャル空間における観測・介入・因果構造の学習

中村 亮太 Ryota Nakamura
武蔵野大学 データサイエンス学部 / Asia AI Institute
NVIDIA DLI University Ambassador & Certified Instructor
musashino-nakamura.mystrikingly.com
01
Question

What is Data Science?

データサイエンス って、なに
02
ACTION / Notion にまとめる
これがあったら
ノートテイキング

まず、次の3つについて考えてみよう

隣の人と 3〜5分 話してみてください

Q1 自分が実現したいことは、何か?

テーマ・アプリ・サービス・社会課題、なんでも。動詞で書ければベスト。

Q2 そのために、どんなデータが必要か?

「人の行動? 映像? センサ値? アンケート?」— 観測したいモノを具体的に

Q3 そのデータは、本当に取得可能か?

誰が持っている?/どうやって取る?/コスト・倫理・時間は?

機材:センサ・カメラ・マイク・VR/ARデバイス・脳波計・視線計測器・スマホ/IoT・API / そのデータは「測れる機材」が手元にあるか?

03

Nakamura学生時代 — 衛星通信の電波を測る

アンテナがあるから 時系列データ にできた

研究室との出会い

  • 大学4年:衛星通信 × ゲリラ豪雨が電波に与える影響を分析する研究室へ
  • コンピュータが嫌いだった(使いにくい、ユーザの気持ちを考えてくれない)
  • プログラミング経験ゼロ

気付き:観測できるモノが 時系列データ

アンテナ → 受信電力・ノイズ・降雨減衰を 時刻ごとに記録
センサ・カメラ・マイクで 連続的に観測できるモノ が、時系列データになる

初プログラミング

  • Excelで手作業の分析が大変すぎた → 「自動化したい」だけでコードを書いた
  • 本来は 6ヶ月分 の時系列データ分析で十分だったが、自動化したことで 3年分 も解析できた(修士の学生を超えた)

DS基礎 時系列データとは?

時間とともに変化する値を、時刻つきで並べたデータ
例:気温、株価、心拍、降雨量、受信電力、Web アクセス数 …

☂ 豪雨A ☂ 豪雨B 晴天時ベースライン 豪雨で電波レベルが減衰 時間 (t) → 受信電力 ↑
  • 時刻順に並んでいるから、変化・トレンド・周期が見える
  • DSの基礎:回帰=過去から未来の電波レベルを予測分類=波形を減衰パターンに判別(無降雨/軽雨/豪雨)
ACTION 自分の取組みは 回帰? 分類? を Notion に
04

Nakamura学生時代 — 生体情報を測る

脳波・視線・表情温度から、ユーザの意図と気持ちを推定する

領域:Human-Computer Interaction (HCI)

人とコンピュータの間の相互作用を研究する分野。
コンピュータをどう設計すれば、人が自然に・効率的に・気持ちよく使えるか を、人間側(認知・行動・身体)から考える。

  • ヒューマンインタフェース — 画面・入力デバイス・音声 UI 等、人と機械の接点の設計
  • グループウェア / CSCW(協調作業支援)— 複数人がコンピュータを介して共同作業する仕組み

生体情報の計測 — 内部状態を観測する

Facial skin temperatures
顔面皮膚温度
鼻部温度(鼻先)は
不快感で低下
Gaze tracking
視線・眼球運動
EYO
筋電位 (EMG)

+ 脳波(Brain waves)/ 身体動作

05

NUI — Natural User Interface

人の自然な振る舞い(視線・声・身振り・表情)でコンピュータと対話する
NUI (Natural User Interface)
06

Nakamura学生時代 — 生体情報を測る

脳波・視線・表情温度から、ユーザの意図と気持ちを推定する

領域:Human-Computer Interaction (HCI)

人とコンピュータの間の相互作用を研究する分野。
コンピュータをどう設計すれば、人が自然に・効率的に・気持ちよく使えるか を、人間側(認知・行動・身体)から考える。

  • ヒューマンインタフェース — 画面・入力デバイス・音声 UI 等、人と機械の接点の設計
  • グループウェア / CSCW(協調作業支援)— 複数人がコンピュータを介して共同作業する仕組み

生体情報の計測 — 内部状態を観測する

Facial skin temperatures
顔面皮膚温度
鼻部温度(鼻先)は
不快感を感じると低下する
Gaze tracking
視線・眼球運動
EMG
筋電位 (EMG)

+ 脳波(Brain waves)/ 身体動作

応用:マルチメディア自動処理

テキスト・映像・音楽 × Focused / Excited など状態推定
→ ユーザの意図・気持ちを推定し、自動処理に反映

代表事例:Ghost-Tutor

視線・眼球運動に基づく自学習支援システム
個人の学習ペースを考慮した支援を実現

07

Nakamura研究例 — GhostTutor の仕組み(視線で 集中度 を測る)

集中しているとき/していないとき、視線の動きには明確な違いがある
集中度の視線パターン

上:眼球運動の時系列(60秒)/下:視線軌跡 — 左=非集中(疎で大きな動き) / 右=集中時(細かく密)

視線パターン × 集中度

  • 集中しているとき:目から情報を得ようとして、視線を 絶えず細かく動かす(密で素早い動き = 固視微動
  • 集中していないとき:目の動きが 減り、動きも大きく なる(大きな サッケード
  • 瞬きの頻度・視線移動速度・軌跡 から 集中度を推定

GhostTutor の動作

左:学習用ビデオ / 右:視線・瞬き・速度・軌跡の計測結果
推定した集中度に応じて 映像を自動制御集中していないと判定したら再生停止+アラーム

データ取得(視線の時系列) 分析(固視微動/サッケードのパターン抽出) 数式化(学習状況を識別するためのモデル化) 実装(集中/非集中の自動判定 + 映像制御)

08

Nakamura研究例 — 脳波で「驚き」を捉える

驚いた瞬間、脳波 には鋭い反応が現れる

EEG サンプル — 驚き刺激と脳波の同期変化

集中・驚き × 脳波

  • 集中しているとき → 脳波の α 波領域が減衰 する(α 減衰
  • 驚いたとき → 脳波の β 波領域が突発的に上昇 する
09

Nakamura研究例 — MindStudio(リプレイ映像の自動生成)

カメラマンの 脳波(驚き反応) でハイライト箇所を自動マーキング

カメラマンが簡易脳波計を装着して撮影中

システムのしくみ

  • カメラマンが 簡易脳波計(EEG ヘッドセット) を装着
  • カメラで撮影しながら、脳波を常時記録
  • 「お!」と驚いた瞬間 → 脳波の β 波が突発上昇ハイライト候補としてタイムスタンプ
  • 「決定的瞬間」を 言葉や手動操作なし で印付け

従来との違い

従来:撮影後に 人がレビュー してハイライトを切り出す(時間がかかる)
MindStudio:撮影しながら 脳波が自動でマーキング

10

Nakamura研究例 — MindStudio(自動生成された映像)

脳波が反応した瞬間だけを切り出した、リプレイ映像

MindStudio が自動生成したリプレイ映像(脳波ハイライトのみを連結)

意義

カメラマンの 無意識の「お!」 がそのまま編集判断になる

時系列データ(EEG) × 分類(驚き/非驚き) × メディア処理実用システム になった例

つまり…

「観測できる生体情報」を 時刻つきで束ねる と、
人間の主観的体験 までデータ化できる

データ取得(脳波の時系列) 分析(α 減衰/β 突発上昇のパターン抽出) 数式化(集中・驚きを識別するモデル化) 実装(集中/驚きの自動判定)

11
ACTION / 任意の 相関関係を散布図で示した例 を探し、
Notion に画像として貼り付ける

Nakamura25年前から、すでに データサイエンス していた

パターンを見いだし、数式(モデル)を作る — それは科学者が当たり前にやっていた営み
よく考えると、データで科学するって、
科学者が当たり前にやっていることだ。
「データサイエンス」と聞いたとき、何を言っているんだろう?という気持ちになった。

① データ取得

世界を 観測可能 なものに変える

  • カメラ(画像・映像 / 視線)
  • センサ(脳波・心拍・温度・加速度・GPS)
  • マイク(音声・環境音)
  • ログ/API(Webアクセス・購買・SNS)
  • 実験・アンケート(人手で集める)

→ 「測れる機材があるか」が出発点

② パターン発見

データの中に 規則性 を見いだす

  • 可視化(散布図・時系列プロット・ヒストグラム)
  • 統計(平均・分散・相関・分布)
  • 主成分分析(PCA — たくさんの項目を、データの違いがよく見える少数の軸に要約)
  • クラスタリング(似たものをグループ化)

→ 「データのどこに意味があるか」を見抜く

y = ƒ(x)

③ モデル化(数式)

パターンを 数式(モデル) に落とし込む

  • 回帰 — 連続値を予測する数式
    例:気温→電力需要、視線速度→集中度
  • 分類 — カテゴリに割り当てる数式
    例:脳波→驚き / 非驚き、顔→喜怒哀楽
  • シミュレーション(再現・what-if)

再現・説明・予測 ができる形にする

いまの DS の中心 は、③ モデル化機械学習・深層学習 が担うこと。
→ 次のスライドで「モデル = 関数」とは何かを整理する

12

データ分析や機械学習プロジェクトの 標準プロセス — CRISP-DM

CRoss Industry Standard Process for Data Mining(1996〜)
CRISP-DM Process

業界・分野を問わず使われる データ分析プロジェクトの標準サイクル
6つの工程を 反復 しながらモデルを磨き上げる。

  1. Business Understanding — 何を解きたいか/成功基準を定義
  2. Data Understanding — 集めたデータを眺める/品質を確認
  3. Data Preparation — 欠損補完・正規化・特徴量設計(最も時間を使う)
  4. Modeling — 回帰・分類・クラスタリングなど数式に落とす
  5. Evaluation — 目的に対して妥当か検証する(精度だけでなく業務適合)
  6. Deployment — 実環境に組み込み・運用・継続改善

矢印が双方向なのがポイント — Modeling から Data Preparation に戻るEvaluation から Business Understanding に戻る のは日常茶飯事。
一直線ではなく 行ったり来たり しながら問題理解と実装を同時に深める。

出典:CRISP-DM 1.0(Chapman et al., 2000) — 25年経っても基本構造はそのまま使われている。

13
ACTION / 自分がつくるとしたら
「何を入れて、何が出る」モデル? を Notion に

そもそも「モデル」って何?

モデル = 関数。入力を入れると、何かを出力する箱。
入力 x 画像・数値・テキスト y = ƒ(x) モデル = 関数 中身は数式 (パラメータの集合) 出力 y 予測値・分類・生成物
14

実空間で データを取る のは、なぜ難しいか

これまでの私の研究 — 実空間データ

  • カメラ・センサ等が必要
  • 設置・校正コストが高い
  • 照明変化や遮蔽など 制御不能な要因 が多い
  • 安定したデータ品質の維持が困難
  • 多人数・長時間・多拠点への展開がスケールしない
CCTV カメラ アイトラッキング サーマル LiDAR / 深度 マイク 視線・眼球 脳波 EEG 心拍 / EMG 人感 / PIR RFID / 棚センサ + POS/温湿度/加速度/GPS/圧力/ガス … 用途別に多種多様

これまでの研究の流れ

実空間 データ取得・分析

仮想空間 データ取得・分析

仮想空間 因果推論・介入設計・AI開発

仮想環境・VR装置を データ取得の手段

事例:ドラッグストアに 数百台のカメラ を設置して購買行動を分析

  • 1店舗に 100〜300台 のカメラ+POS・棚センサを設置
  • 視線・動線・滞在時間・手の動き・購買 を全てログ化
  • 映像保存・伝送・処理に GPU クラスタ + 大容量ストレージ
  • 同意・プライバシー対応・法務 が常時必要
  • 1チェーン展開で 数千万〜億円規模 のシステム投資
ドラッグストア(平面図) — 100〜300台のカメラ+センサ 入口 / 出口 レジ / POS 購買データ 医薬品 サプリ 健康食品 マスク / 衛生 介護用品 化粧品 スキンケア ヘアケア オーラルケア 香水 日用品 食品 / 飲料 ベビー ペット = 天井カメラ = 顧客 = 動線

● = カメラ(数百台)/ 視線・動線・滞在時間・手の動き・購買 をすべてログ化

実空間で「人がどう振る舞うか」を観測しようとすると、機材・運用・法務の全方位に大規模システム が要求される。
→ 個人・中小研究室では現実的に手が出せない。だから バーチャル空間 へ。

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Shift

実空間    バーチャル空間

研究環境 を変える
16
ACTION / これから紹介する事例の中で
最も興味があったものを Notion に記載

バーチャル空間でデータサイエンス事例 —VRチアダンス

応援動作の身体センシング・同期データ
※ これから紹介する事例は すべて学生との共同研究
17

バーチャル空間でデータサイエンス事例 —河川ゴミの可視化、ゴミ回収会議

18

バーチャル空間でデータサイエンス?事例 —VR エンタメ環境

大学キャンパスを舞台にゾンビ化した教員から逃げる
19

バーチャル空間でデータサイエンス事例 —バーチャル旅行体験

VRトラベル — Google StreetView と連携、世界中のあらゆる地点を VR で旅できる
20

バーチャル空間でデータサイエンス事例 —バーチャル展示会

アバター間インタラクションの観測 — グラフや表でデータ分析
21

バーチャル空間でデータサイエンス事例 —SpaceTimePlayer

時空間データの再生・分析プレイヤー — グラフや表では捉えきれない時空間パターンを、空間内を歩きながら身体感覚で把握(Immersive Analytics)
22

バーチャル空間でデータサイエンス事例 —武蔵野大学100周年記念イベント

大規模イベントを仮想空間で再現
23

バーチャル空間でデータサイエンス事例 —プレゼンテーションルーム

100周年記念イベントの講演空間
24

バーチャル空間でデータサイエンス事例 —バーチャル空間と実空間の融合

総合デモ — 観測・分析の実演
25

バーチャル空間でデータサイエンス事例 —VR拍手サイバーフィジカルシステム (CPS)

実空間の変化をバーチャル空間に反映させるサイバーフィジカルシステムの簡易例
26

バーチャル空間でデータサイエンス事例 —Mixed Reality 空間

さきほどの逆 — 実空間の中にバーチャルなオブジェクトを配置(重畳表示)
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バーチャル空間でデータサイエンス事例 —MR × ショート動画

MR配信の反応データ
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バーチャル空間でデータサイエンス事例 —MR パーソナルカラー

MR 上での個人最適化マッチング
29
ACTION / 後ほど紹介する
解決方法を Notion に書く

バーチャル空間でデータサイエンスする際の 障壁

やりたいこと

仮想環境上での ユーザの言動データ(移動・視線・操作・発話・滞在)を取得し、DS 手法で分析・モデル化 したい。

仮想環境を ゼロから構築 するのに膨大なコスト:
Unity / Unreal Engine / WebXR (HTML・JavaScript) / 3Dモデリング・テクスチャ・物理演算・ネットワーク同期・配信 …
技術・時間・人材・資金 のすべてが要求される

結果

データ取得以前に、環境構築だけで数ヶ月〜数年 かかり、
研究の本質であるデータ分析へ到達できない

問題:仮想環境での言動を DS で扱いたいが、
環境構築コストが大きく、研究の本質であるデータ分析に到達できない
30

バーチャル空間でデータサイエンス事例 —既存のバーチャル空間プラットフォームを利用

Unreal Editor for Fortnite を活用した空間 (データ取得不可)
31

バーチャル空間でデータサイエンス事例 —有明キャンパスのデジタルツイン

PLATEAU 3D都市データを統合した実キャンパスの再現 — 建物内の構造データは取得できない
32
そこで

しゃべるだけ・書くだけ で 3D 空間が生まれる

以上のようにバーチャル空間で DS をしてきたが、毎回 空間作りが大変 だった — それを AI で自動化

従来:空間作りに数週間〜数ヶ月

  • モデリング・テクスチャ・ライティング・スクリプティング
  • GLB/glTF を手作業で配置・調整
  • データ取得以前に研究が止まる

いま:音声・テキストで自動生成

  • 「夜の図書館を作って」「商店街を再現して」と話すだけ
  • LLM が意図を解釈 → 3D オブジェクト・空間を自動配置
  • テキスト入力でも同様 — すぐ歩き回れる
  • 構成:LLM × プロンプトエンジニアリング × WebXR

→ 仮想空間制作のコストが 崩壊
ようやく データサイエンス側に時間を使える ようになった。

33
いまの開発

バイブコーディングで、アイディアが "動くカタチ" になる

AI と対話しながらコードを書く新しいスタイル(AIコーディング=バイブコーディング)— 思いついたものを その場で形にできる

かつて:作りたくても、作れなかった

  • 言語の文法・環境構築・エラー対応を 何年もかけて習得
  • アイディアがあっても 完成まで遠かった

いま:話す・指示するだけ

  • 「こんなアプリが欲しい」と伝えると AI が一緒にコードを書く
  • 動かす → 直す → また動かす を 圧倒的なスピード
  • 専門家でなくても アプリ・ゲーム・3D 空間 を作れる時代に

→ 情報工学とは、アイディアをカタチにする力
想像したものを、自分の手で現実に動かせる。

34

AIコーディングで空間自動生成

LLM を活用した AIコーディング(バイブコーディング) で空間自動生成システムを開発 — テキスト(自然言語) → 3D 空間 WebXR(HTML+JavaScript) + WebGPU
35

Dimensio データ可視化

3D 空間の自動生成だけではなく、ユーザ言動の データ自動取得・可視化 も実現(散布図・時系列を VR 空間内に)
36

バーチャル空間でデータサイエンス事例 —VRバーチャル教室

バーチャル空間での授業 — 学生の参加・行動を観測
37

バーチャル空間でデータサイエンス事例 —VRゼミ

VRゼミ空間 — 発言・視線・行動データを取得
38

バーチャル空間でデータサイエンス事例 —VRミュージックライブ

バーチャル空間での音楽ライブ — 観客行動データ / ペンライトの光らせ方をシミュレーション
39

バーチャル空間でデータサイエンス事例 —1000アバター同時接続

大規模同時接続でのスケール検証 — WebGPU 描画 のメリット(GPUの並列処理で多数アバターを高速レンダリング)
40

バーチャル空間でデータサイエンス事例 —リアルタイム多言語翻訳

生成AI を活用 したVR内での同時多言語コミュニケーション

バーチャル空間 × AI は 相性がいい

  • テキスト・音声・映像が すべてデジタル なので AI が即座に処理できる
  • AI が 介入しやすい(翻訳・要約・サポート・案内)
  • ユーザの行動や発話も 自動でログ化 → DS と直結

本事例:生成AI 連携

  • 音声をリアルタイム文字化
  • 生成AI で 多言語翻訳・要約
  • VR空間内で 字幕として即時表示
41
ACTION / 事例はここまで。
最も興味のあった作品を Notion に記述

バーチャル空間でデータサイエンス事例 —VR 広告分析

広告の自動配置視聴データの自動取得・可視化 — VR内広告の視線・反応分析
42
Then …?

これからの データサイエンス

43

これからの データサイエンス は AIドリブン

「データから知識を得る」 から、「AI の知能そのものを設計する」 学問へ拡張

これまでの DS

  • データを 集める
  • データを 分析する
  • 傾向・規則性を 見つける
  • 未来を 予測する

→「データから 知識 を得る」ことが中心

これからの DS(AI 時代)

  • AI が 学習しやすい環境 を作る
  • AI が 世界を理解 できるようにする
  • AI が 推論・行動 できるようにする

→「AI の知能そのものを設計する」学問へ

今の DS は 3 つの層 で考えると分かりやすい

LAYER ①

AI を 使う DS

  • AI 分析・AutoML
  • LLM 活用・可視化支援
  • 業務支援

AI を 道具として活用 する段階。
すでに多くの企業で普及

LAYER ②

AI を 育てる DS

  • 高品質データ / マルチモーダルデータ
  • シミュレーション / Synthetic Data
  • 評価設計 / 人間-AI 相互作用

AI が学習しやすい データ・環境・評価 を設計。
現在もっとも重要

LAYER ③

AI そのものを 進化させる DS

  • World Model / 因果推論
  • Embodied AI / Agent
  • 長期記憶 / 空間理解 / 時間理解

← 私の研究はここ寄り
(VR × 因果 × アバタ × 反実仮想 × 空間行動理解)

「ただ予測する AI」 から 「世界を理解して行動する AI」 へ。
LLM に加えて、Physical AI / Spatial AI / World Model / Embodied AI へ研究が広がっている。
44
ACTION / 相関と因果の違い
たとえ話で Notion に説明

既存 LLM の 限界 — 相関は分かる、因果は分からない

相関 (correlation) ≠ 因果 (causation)

古典例:国民1人あたりの チョコレート消費量ノーベル賞受賞数

ノーベル賞 チョコ消費量 強い正の相関(r ≈ 0.79)

観測:チョコレートをよく食べる国ほど、ノーベル賞受賞者が多い (Messerli, NEJM 2012)

でも:チョコを食べても、ノーベル賞は取れない

→ 真の原因は 国の経済水準・教育投資
豊かな国はチョコ消費も多く、研究にも投資できる ── 共通原因(交絡因子)

これが「相関 ≠ 因果」の典型例

既存 LLM が学べる範囲

P(Y | X) — 観測データの同時分布から取れる 相関パターン
「チョコレート消費とノーベル賞は相関する」とは 知っている
だが なぜ本当の原因は何か は分からない。

LLM に欠けているもの

  • 介入(do(X))を実行できない
  • 反実仮想を物理的に試せない
  • 「もしチョコ消費だけ増やしたら」の世界を観測できない
  • 因果関係を本質的に区別できない
既存 LLM にはできない 因果推論 を、できるようにしたい。
45

バーチャル空間 × AI は 本質的に相性がいい

AI が本当に必要とするもの = バーチャル空間が提供できるもの

バーチャル空間が 提供できる

  • 完全な状態観測 — 位置・姿勢・視線・操作・発話 すべて
  • 自由な介入 — 環境・条件・他者の振る舞いを任意に変えられる
  • 無限の再現性 — 同一シナリオを何度でも、do(X) ごとに
  • すべて デジタル なので AI が即座に処理できる

AI が 要求する もの

  • 大量のデータ・反復実験
  • do(X) 介入 による因果学習
  • 連続的な観測 → 状態モデル 構築
  • 安全に試せる失敗 の場
両者は 補完関係
実空間では不可能なことが、バーチャル空間ではすべて成り立つ。
46

バーチャル空間で AI を育てる = Immersive Data Science

ポスト LLM 時代のテーマ — 言語ではなく 世界 を理解する AI へ

VR 内で完結する DS サイクル

観測
実空間以上の精度
介入
do(X)
反実仮想
counterfactual
モデル化
因果モデル / 世界モデル

ポスト LLM 時代のテーマ

● VR ● 因果 ● 空間 AI ● アバタ ● 自律学習 ● 行動解析 ● Embodied AI ● World Model
既存の AI にできないことを、バーチャル空間で育てる
それが Immersive Data Science。
47

IDS は LLM の次の層 — 世界を理解する AI へ

「言語を話す AI」から「世界を仮想的に理解し、介入し、結果を試せる AI」へ

既存 LLM が得意な領域

P(next token | context)

  • 次の単語予測 / テキスト生成
  • 要約・知識検索・会話
  • コード生成

本質:巨大化されたパターン補完。物理法則・身体運動・動的因果は 言葉として知っている だけで、本当には扱えない。

IDS が扱う領域

P(Y | do(X)) — Pearl 系の因果推論

  • 状況理解(空間・運動・時系列)
  • 因果推論 / 反実仮想(counterfactual)
  • インタラクティブ介入(do(X))
  • 身体・空間理解
  • 人間同士の相互作用

例:「もしディフェンスを 30cm 寄せたら?」 — 単なる予測ではなく 介入推論

AI 研究の進行方向

LLM
言語
Multimodal
画像・音声
Agent
行動
World Model
世界理解
Causal Model
因果理解
Embodied AI
身体性

↑ IDS はこの領域 — World Model + Causal AI + Embodied AI + Simulation AI の統合

"LLM 不要"ではない
LLM × World Model × Causal Model × RL/Agent × VR の統合へ。
48
最後に

IDSの概念から、
具体的な実装

49

IDS事例 — バスケットボール 1on1 因果シミュレーション

反実仮想が可能な 因果モデル による 1on1 シミュレーションツール

因果モデルで何ができるか

  • 「もし ディフェンスがあと半歩寄っていたら
  • 「もし このタイミングでクロスオーバー していたら」
  • などの 反実仮想 をその場で再生

仕組み

  • 単眼映像から 姿勢・位置・速度 を推定
  • 選手間の 因果関係(距離・角度・タイミング)を構造化
  • VR空間で do(X) 介入を実行 → 結果を可視化

→ 「観測 → 介入 → 反実仮想」を VR内で完結
コーチングや自律学習支援への応用が可能。

既存の LLM相関のみ / IDS因果(介入+反事実)
50

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